はじめまして!
記念すべき初のブログ投稿なので、まずは私たちの ”想い” をお伝えしたいと思います。
少し長くなりますがどうぞお付き合いください。



シナジアは「デジタル×ヒトの力で学びを最適化」を基本コンセプトに、子どもたちの新しい学習体験のスタイルを提案しようとしています。

デジタル技術がとんでもないスピードで進んでいる今、子どもたちは親世代と全く違う世界に生きています。これは数万年続くヒトの歴史の中でもかなりレアな出来事で、「親世代が学習したことを子どもたちに伝える」という長い間くり返されてきた方法論が通用しない場面に次々に出くわす、ということを意味しています。

親として自分たちがよく分からない世界を、子どもたちがウロウロしているとなると心穏やかではいられませんよね。この文章を書いている私も3人の子どもたちの親として思うところはいろいろあります。危ない目に遭わないか心配してしまうのは「親」としての本能なのでしょう。

 一方、よく分からないからとにかくアクセスを遮断してフタをしてしまえ、というスタンスでは現代を生きる子どもたちの大切な学びの場を奪ってしまうことにもなりかねません。EUでは2012年にネットの若年層の現状について大規模な調査が実施され、インターネットへのアクセスは子どもの基本的人権だという研究者もいました (Sonia Livingstone / London school of Economics) また、実際にネットを活用したアプローチで子どもたちが大きく成長したという例は毎日のように見かけます。

大切なことは最新のテクノロジーがある以上、そして子どもたちがより効率的な学びを得られるなら、それに「正しく触れるチャンス」を提供してあげることだと思うのです。新しい知識を獲得する方法についても記憶を定着させる方法についても、そもそも学びの場についても、親世代が経験して “安心” できるものより確実に良いものがあってすでに世界中で実証されています。リスクとメリットをきちんと理解したうえで、壁をのり越えてチャレンジすべきなのは子どもたちというより、むしろ親世代なのかも知れません。



シナジアをスタートするにあたり、デジタルテクノロジーを子どもたちの学習に活用することには、子どもたちにとって現時点で大きく3つのメリットがあると考えています。

①一人ひとりの子どもが自分に最適な学びを得られます

 今までは本人の能力や理解度、モチベーションなどに全く関係なく一律の教育が提供されていました。テクノロジーを活用することで一人ひとりの子どもが、自分にピッタリの教材や方法で学ぶことができます。

②場所やタイミングにしばられずに学べます

 本人たちも自覚がないままに、子どもたちの学びは学校や塾といった「場」や、決められた「タイミング」にしばられています。オンラインの高校やフリースクール、各種のオンラインコミュニティーなど学びのスタイルの多様化が進んでいるのは、いろいろな制約がある現状からの脱却の試みだとも考えられます。

③それ自体がテクノロジーのリテラシー教育になります

 良いのか悪いのかを考えている間もないまま、社会のデジタル化は日々進んでいます。そして子どもたちは驚くほど上手にデジタルデバイスを活用し、しなやかにその流れにのって生活していますよね。テクノロジーに振り回されるのではなく正しく理解して上手に使いこなしていくこと自体が、これからの生き方のための学びになると思うのです。

デジタル担当大臣なんていう役職ができる時代です。今はあちこちで耳にするDX(デジタル・トランスフォーメーション)なんていう言葉は、ここ数年で急に認知されました。ちょっと極端に聞こえるかもしれませんが、マーケティングの神様と言われる方(Philip Kotler)が「デジタル化するか、さもなくば死か」なんていう話もされていました。そういえばテレビでは路上生活者が目の前にQRコードを置いて電子マネーを受け取っているなんていうニュースもありましたね。そんな今、未来を担う子どもたちの学びの方法こそアップデートするべきだと考えています。

最後に余談になりますが、上記の①~③って大人にもそのままメリットとして当てはまると思いませんか? 語学だったり趣味だったり仕事のための資格だったり、テクノロジーの活用は「大人の学び」にもとても効果的なような気がします。その話はいずれ別の機会に。

文:傳田仙太郎